研究レポート

糖脂質(LPS)素材経口投与による鶏でのストレスに対抗したワクチン効果の増強

私達は、インフルエンザや結核の予防のためのワクチン接種を行ないます。ワクチンとは、病原菌や病原ウイルスの弱毒株や抗原の一部のことで、予め体内に接種しておくことで抗体が誘導され、本物の感染が起こった場合に重篤な症状が起こらないようにする効果があります。従って、ワクチンを打つと体内に抗体ができますが、加齢やストレス、ストレスによって誘導される体内ステロイドの影響により、ワクチンを打っても、体内で抗体がうまく作られない場合があります。

こういう現象に対し、糖脂質(LPS)の予防的摂取がどのような効果を持つか、鶏を使って調べました。ブロイラーなど鶏を飼育する場合にもニューカッスル病、マレック病、気管支炎、鶏痘の予防のためのワクチンを接種します。サルモネラのワクチンを投与すると、通常、図1の青○に示すように、ワクチン接種に伴って、血液中にサルモネラに対する抗体量が増加します。一方、ワクチンを打つ前に、デキサメサゾン(ステロイド)を投与しておくと(図1ピンク○)、その抗体量が顕著にさがります。しかし、デキサメサゾンを投与する前に、予防的に糖脂質(LPS)(パントエア菌由来;IP-PA1)を摂取させておくことで、この低下が、完全ではないものの、回避されていることが示されました(図1オレンジ○)。

糖脂質(LPS)の経口投与は、魚でワクチン効果を増強することが示されていますが、鶏においても、ステロイド依存的(ストレス依存的)抗体産生量の低下予防に効果が期待できます。

図1 IP-PA1経口投与による、抗体価低下の抑制効果

図1

 

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