研究レポート

LPS配合保湿クリームによる、 かゆみの改善を含むアトピー性皮膚炎寛解維持効果

私たちは、これまでに、糖脂質(LPS)の経皮投与にアトピー性皮膚炎の改善効果があることを、@100人のアトピー性皮膚炎患者を対象としたオープン試験でのアンケート調査、A4人のアトピー性皮膚炎患者を対象とした、ダブルブラインド左右比較によるEASIスコア評価によって確認してきました。今回さらに、香川大学・医学部・皮膚科の協力を得て、32人のアトピー性皮膚炎患者を対象とするダブルブラインド試験によって、EASIスコアおよびかゆみと皮膚の状態に関する自己評価(VAS)に関する調査を行い、LPSにアトピー性皮膚炎寛解維持効果があることを明らかにしました。
 

図1 試験概要

試験概要

本試験では、LPS配合保湿クリーム(LPS濃度:2μg/g、LPSとしてSomacy-CL001を使用、商品名:パントケアバランシングクリーム)およびそのプラセボを用い、医師によってアトピー性皮膚炎と診断され、病院での治療後、寛解期に至ったとされた者(ステロイド等の使用をやめるに至った者)32人を、無作為割付で2群に分け、ダブルブラインドにて4週間使用してもらい、スタート、2週間目、4週間目のEASIスコア、かゆみおよび皮膚の状態のVASスコアを調査しました。

図2 スタート時、2週間目、4週間目のスコア平均の比較

スタート時、2週間目、4週間目のスコア平均の比較

その結果を図2に示します。試験クリームを使用した群(パントケア群)、プラセボクリームを使用した群(プラセボ群)とも、スタート時点のEASIスコア、VAS(かゆみ)、VAS(皮膚の状態)に統計的有意差はありません。両群とも使用を開始して2週目、4週間目と徐々に症状は改善していきますが、EASIスコア、VAS(かゆみ)では4週間目、VAS(皮膚の状態)では2週間目から統計的な差が現れ、パントケア群の改善度が高くなりました。このことから、LPSには、アトピー性皮膚炎寛解維持効果があることが示されました。

図3 かゆみ低減効果

かゆみ低減効果

図3は、VAS(かゆみ)について、両群の一人ひとりの推移をプロットしたものです。パントエア群では、ほとんどの患者が2週目、4週目と改善に向かいます。一方、プラセボ群では、2週目に一旦よくなるものの、4週目で悪化している人が多くなります。したがって、2週目から4週目の改善度の平均値を比較しますと、パントケア群ではプラスですが、プラセボ群ではマイナスとなり、LPSにかゆみに対する改善効果が高いことが示されました。

表1 脱落者詳細

脱落者詳細

尚、本試験では、4週間の試験を行った者32名以外に、試験途中で脱落した者が3名おり、その内訳は表1のとおりです。途中脱落者の人数はパントケア群の方が少なく、脱落するまでの日数もパントケア群の方が長いことからも、パントケア群の優位性が伺えました。

以上の結果から、LPSには、アトピー性皮膚炎の寛解維持効果があること、かゆみの抑制効果があることが明らかとなりました。

本試験結果は、平成26年11月開催の、第66回日本皮膚科学会西部支部学術大会において発表。

 

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