ひげ博士の最新免疫学講座

第21回 発熱の話(2012年12月 No.21より)

皆さん。ひげ博士じゃ。

ヘックシュ!失礼。風邪をひいたら熱や、鼻水、咳が出る。みんな体を守る仕組みじゃ。そうそう、無理に熱を下げない方が、治りが早いと言われるのは知っておるかのう。実際、マウスにばい菌を感染させて、暖かいところで飼っておいた方がばい菌を早く排除できるのじゃよ。発熱でマクロファージの異物貪食する能力が高まる新たな仕組みが発見されたことが最近の論文*で発表されたので、皆さんに紹介するとしよう。

適度な発熱(体温より1〜2度くらい高め)だと自然免疫を活性化することが知られておるが、マクロファージの異物貪食能も高まるのじゃ。この効果には体温センサーといえるTRPM2(トリップ・エムツー)というタンパク質が熱により活性化型になり、マクロファージに働いて、貪食機能が亢進するのじゃ。それだけでなく、ばい菌が体内に侵入すると、まず最初にマクロファージに貪食されるが、その時にばい菌を殺す活性酸素が生じるが、この活性酸素がTRPM2の活性化を誘導することがわかったのじゃ。傷口が赤くなって熱を持っている所はマクロファージが一生懸命ばい菌を貪食して排除しているということじゃな。勿論、過度の発熱は体のためにも適切に下げることが肝腎じゃよ。

*: ProNAS, 2012, 109: 6745-6750

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

 

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