ひげ博士の最新免疫学講座

第22回 アルツハイマーの話(2013年3月 No.22より)

皆さん。ひげ博士じゃ。本日は、アルツハイマー型認知症を予防する話をしよう。

アルツハイマー病はアミロイドβという小さな不溶性タンパク質が脳にたまって、いわゆる老人斑ができて、神経細胞が死んでしまい、だんだんと脳が萎縮していく病気じゃのう。ところで、脳には、マイクログリアと呼ばれている組織マクロファージがおって、神経細胞の維持に関わっておる。実は、アミロイドβは誰の脳にも出来ているのだが、これをマイクログリアがせっせと食べて除くことで、アミロイドβがたまるのを防いでおるのじゃな。

さて、最近の研究で、ついに糖脂質がアルツハイマー病の予防に有用なことが報告されたので、紹介しよう*。低分子で活性の低い糖脂質(モノフォスフォリルリピドA: MPL)を注射すると、糖脂質受容体のTLR4を経由して、マイルドにマクロファージの活性化を誘導できる。アミロイドβが出来やすいように遺伝子操作したマウスに、このMPLを腹腔内投与したところ、マイクログリアがアミロイドβを貪食する能力が高まったのじゃ。当然、老人斑が脳で作られるのを抑制されて、学習障害も抑制されることが確認されたんじゃ。やっぱり、糖脂質をうまく使えば、いろいろな病気を予防できるのじゃのう。

*: ProNAS, 110: 1941-1946 (2013).

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

 

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