ひげ博士の最新免疫学講座

第36回 筋肉の話(2016年9月 No.36より)

皆さん。ひげ博士じゃ。超高齢化社会に向けた大問題の一つに筋肉が細り、骨がもろくなるサルコペニアという状態がある。運動が健康長寿にとても大事だということは良く知っているとおもうが、マクロファージとの関係についての例をご紹介しよう。

筋肉は老化や激しい運動で筋肉細胞が死ぬと、新しい筋肉の元になる細胞が増えて、また筋肉細胞が生まれる再生能力が高い細胞じゃ。マクロファージはこの死んだ細胞を除去することで、筋肉の再生を進めている重要な働きをしておる。それだけでなく、最近の研究からわかってきたのじゃが、運動によって筋肉からたくさんの情報物質(マイオカイン)が出て、マクロファージやNK細胞を活性化しておる。また、マイオカインは脂肪の分解を促進するので、ダイエットにも良いのじゃ。

一方、運動をしないと筋肉からマイオスタチンというタンパク質が出るのじゃ。これにより、マクロファージが筋肉に集まる働きが下がり、筋再生が低下するようじゃ。骨折などでギブスをして、ギブスを外したときに驚くほど細くなっていることに驚いた経験のある人も多いのではないかのう。

運動してマイオカインを出し、マイオスタチンを出さないようにしないと筋肉が痩せて、健康寿命が阻害されてしまうのじゃ。マクロファージを元気にして健康長寿を実現するために、適度な運動は欠かせないことなのじゃな。もちろんダイエットにものう。

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

ひげ博士

 

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