LPSで花粉症を予防できる?そのメカニズムとLPSの取り入れ方とは?

免疫力のバランスが乱れることによって発症する花粉症は、LPSの働きによって緩和されることがマウスを使った実験で証明されており、いま注目を集めています。そこでこの記事では、LPSと花粉症の関係性について、LPSが花粉症予防につながるメカニズム、おすすめのLPS摂取法などについてご紹介します。

LPSが花粉症の発症を予防する?

まず、LPSがどうして花粉症の発症を予防できると言われるのか見てみましょう。

LPSとは

LPSとは、土の中や食物、空気中に存在している「グラム陰性細菌」の一番外側にある外膜に埋め込まれている物質です。

LPSには、病原菌などの異物を排除するために役立つ細胞「マクロファージ」を活性化させる働きがあり、免疫力の向上に役立つことから、別名「免疫ビタミン」とも呼びます。花粉症を含むアレルギー症状をはじめ、アトピー、肌荒れ、糖尿病などの予防にも有効とされており、簡単に言えば、LPSは病気やウイルスに負けない体の基本要素と言えるでしょう。

LPSと花粉症の関係

次に、LPSと花粉症の関係を見てみましょう。世界で最も長い歴史を誇り、引用数や読者数でも圧倒的な数を誇る医学雑誌「The New England Journal of Medicine」の発表によると、幼少期におけるLPSの自然摂取の低さが、アレルギー体質の増加と相関関係にあることが示されています。

事実、ヨーロッパでの調査結果では、動物や土壌に触れる機会が多い子どもは、そうではない都市部の子どもと比較して、花粉症や喘息の症状が少ないことが分かっています。

また、マウスを使った実験では、マウスに花粉とLPSを同時に与えると、そうでないマウスと比較して、花粉症の症状が少ないことが分かっています。つまり、LPSと花粉症には強い関係性があると言えるのです。

LPSが花粉症を予防できる理由

では、どうしてLPSで花粉症が予防できるのでしょうか?花粉症のメカニズムとともに詳しく解説します。

花粉症(アレルギー)のメカニズム

花粉(アレルゲン)が鼻腔内の粘膜に付着すると体内で抗体が作られます。この抗体は、細菌感染防御の重要な役割を持つ「マスト細胞」と呼ばれる細胞に結合します。

しかし、鼻腔内に花粉が再び侵入すると、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出され、鼻水やくしゃみなどのアレルギー反応が起こります。これが花粉症(アレルギー)のメカニズムです。

LPSはTh1細胞とTh2細胞のバランスをとる

免疫細胞であるヘルパーT細胞には「Th1細胞」と「Th2細胞」のふたつがあり、それぞれアレルギーの原因である「抗原」によって使い分けられます。例えば、Th1細胞は細菌やウイルス、Th2細胞は花粉や埃、カビなどを排除する働きがあります。

現代社会は抗菌商品などの普及によって清潔な環境になり、細菌やウイルス感染の機会が減ったことから、Th1細胞の数が減少し弱体化しています。一方で、花粉や埃などの抗原に対応するTh2細胞は活躍する場面が多いことから細胞数も多くなり、ふたつの細胞がアンバランスな状態になっています。

Th2細胞が増えすぎると、本来味方であるべき細胞にも攻撃するようになることから、Th1細胞とTh2細胞ふたつのバランスをとることが大切なのです。このバランスをとる際に重要な働きをするのが、マクロファージやNK細胞(ナチュラルキラー)です。

LPSはマクロファージやNK細胞を活性化させる働きがあるため、Th1細胞とTh2細胞のバランスをとるのに役立ち、結果として花粉症の予防が期待できるのです。

花粉症の方におすすめ!LPSの摂り方

花粉症を予防するためにはLPSの摂取が重要だということがお分かり頂けたと思います。では、LPSはどのように摂取すればいいのでしょうか。

LPSは根菜類や海藻に多く含まれており、なかでもレンコン(皮付き)やほうれん草、めかぶ、わかめに多く含まれています

特にめかぶの場合、粉末状にした状態で1gあたり42.8μg(マイクログラム)のLPSが含まれており、乾燥わかめ(21.2μg)の倍近い含有量となっています。

そのほか、玄米でもLPSが摂取できます。LPSは糠(ぬか)や胚芽(はいが)の部分に多く存在しており、精白米と比べて糠や胚芽がまるごと残っている玄米はLPSの摂取に向いています。

ちなみに、LPSは長時間にわたって高温加熱することで壊れやすくなるため、可能な限り生で食べることをおすすめします

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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