ストレスが溜まると、免疫力が低下してインフルエンザや風邪にかかりやすくなるのをご存知ですか?免疫力とは、細菌やウイルスを排除したり、死んだ細胞や老廃物を処理したりして、体を病気から守ったり、調子を整えたりする力のことです。
今回は、ストレスがなぜ免疫力を低下させるのかや、免疫力アップのために心がけたいストレス解消法についてわかりやすく解説します。
この記事の目次
ストレスは免疫力低下の原因に!その理由とは
ストレスで免疫力が低下する原因には、自律神経の乱れが大きく関係しています。自律神経には、交感神経と副交感神経とがあり、この2つのバランスが保たれることで免疫機能は正常に働きます。
たとえば、「悲しい」「こわい」「腹が立つ」などのストレスがかかると、交感神経が緊張し、副交感神経とのバランスが崩れます。これらの神経は、白血球やリンパ球といった、体を病原体から守る免疫細胞の働きにかかわっているため、バランスが崩れることで免疫力が弱まるのです。
また、自律神経のバランスが乱れると、IgAの濃度が低くなります。IgAとは、目や口・鼻・腸などの粘膜で働く抗体(異物に対抗するタンパク質)のこと。免疫の最前線で体を守ってくれているため、この濃度が下がると、病気にかかりやすくなります。
ストレスを解消して免疫力をアップする方法
では、自律神経のバランスを整え、免疫力を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
適度に体を動かす
適度な運動は、副交感神経の働きを高めてリラックスでき、ストレス解消につながります。
また、運動する機会がほとんどない人に比べて、週5日以上運動する習慣のある人は、風邪やインフルエンザにかかりにくいというデータもあります。運動する人は筋肉量があり、基礎代謝が高く、血液がどんどん循環するからです。これによって、血液中の免疫細胞が活性化し、免疫力も高まります。
筋肉の約7割は下半身にあると言われているため、とくに下半身を鍛える運動を取り入れましょう。おすすめは、ウォーキングやジョギング、スクワットです。ただし激しい運動をするとIgAの濃度が低下して、逆に免疫力が下がってしまうため、ウォーキングやジョギングなら一日30分程度、スクワットなら一日10~15回が目安です。
お風呂でリラックスする
しっかりと湯舟につかることで、浮力によるリラックス効果が得られ、自律神経のバランスが整います。全身浴で40℃前後のお湯に毎日10分程度つかることが理想です。体が冷えると血液の流れが悪くなり、免疫力が弱まるため、長めの半身浴ではなく、短時間の全身浴で体温を上げることが大切です。
良質な睡眠をとる
平均睡眠時間が8時間以上の人に比べて、それ以下の人は風邪をひく確率が3倍以上も高いというデータがあります。免疫細胞は睡眠中に分泌される成長ホルモンによって強化されるため、できれば8時間以上質の高い睡眠をとることが大事です。
朝起きたら、カーテンを開けて太陽光を浴びましょう。そうすることで、眠りの質を高めていたメラトニンホルモンの分泌が止まり覚醒し、自律神経のバランスが整います。また、就寝前にスマートフォンやパソコンを使う習慣がある人は要注意。脳を緊張させる交感神経が活発になり、眠りが浅くなる可能性があります。
よく笑う
思い切り笑うことで交感神経が活性化し、その後低下することで、リラックス効果が得られます。自律神経のバランスを整えるためにも、意識的に笑う機会をつくりましょう。
笑うと体に入った病原体をやっつけるナチュラルキラー細胞も活発になります。ある研究では、お笑い番組を観た直後の人は、そうでない番組を観た人に比べてIgAの濃度が高いこともわかっています。自分が心から笑えるものを取り入れるのはもちろんですが、作り笑いでも同様の効果が得られると言われています。
ストレス解消+生活習慣の改善で免疫力アップ!
免疫力アップにはストレスを解消することももちろんですが、日々の生活習慣を整えることも大切です。腸内には身体全体の約6~7割の免疫細胞が存在しているため、免疫力を高めるには腸内環境を整えることが非常に重要だと言われています。
次の記事では腸内環境を整え、免疫力を高めるためにおすすめの栄養素・食材などをご紹介しています。免疫力をアップする生活習慣を取り入れて、病気に強い健康な体を目指しませんか?ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。