免疫力を高めるためにお茶が効果的と言われていますが、数ある中でも、どんな種類が免疫力を高めるお茶なのでしょう?
当記事では、免疫力を高めるお茶の種類や成分、おすすめの飲み方などについて、わかりやすく解説しています。健康維持のためにお茶を飲むならば、ぜひ知ってほしい注意点も紹介しているので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
この記事の目次
そもそも免疫力とは?
免疫力とは、体内に侵入してきたウイルスなどの有害物質を攻撃して排除し、病気を未然に防いで健康を保つ働きがある、身体に備わっている自己防衛システムのことです。
異物を攻撃する以外にも、傷ついた細胞の修復や老廃物やがん細胞を処分するなどの働きもあり、免疫力が下がってしまうと身体を正常な状態に保てなくなります。
免疫力は、腸内環境を整えて免疫細胞に十分な栄養を与えることでも高められるため、飲食物が大きく関係しているのです。
免疫力アップにおすすめのお茶
免疫力を高めるのにおすすめのお茶について、成分や免疫力の関係などと合わせてご紹介します。
緑茶
「カテキン」や「ビタミンC」が含まれている緑茶は、抗酸化作用や免疫細胞を活性化する効果が期待できます。
カテキンは、活性酸素の発生を抑制して細胞の老化を防ぐ抗酸化物質の「ポリフェノール」に分類されている成分で、ウイルスが細胞にくっつくのを阻止して、病気の感染を防ぐ効果が期待できます。また、カテキンの一種の「エピガロカテキン」は、免疫細胞の「マクロファージ」を活性化する働きがあり、免疫力アップに繋がります。
さらに、緑茶にはレモンの約5倍以上ものビタミンCが含まれています。ビタミンCは、皮膚や粘膜を丈夫にして、病原体の体内への侵入を防ぐ働きが期待できます。水溶性のビタミンCは熱に弱い成分ですが、カテキンが持っている抗酸化作用によって壊れにくくなるというメリットもあります。
ほうじ茶
ほうじ茶には「テアニン」が含まれており、自律神経の反応を抑制して、興奮した神経を鎮めるリラックス効果が期待できます。睡眠前にテアニンを摂取すると、脳の働きを抑えて眠りやすい状態を整え、睡眠の質が上がるとも言われています。
自律神経には、活動している時の力を高める交感神経と、リラックスしている時に働く副交感神経があり、副交感神経には、身体の回復や内臓の機能の向上、免疫機能を正常にする作用があります。しかし、過剰なストレスが続くと自律神経の働きが乱れ、交感神経ばかりが働いてしまいます。その結果、免疫機能が正常に機能できなくなり、免疫力が低下するため、ストレス解消やリラックスは免疫力アップのためにとても重要なのです。
テアニンは焙煎していない緑茶にも含まれていますが、焙煎したほうじ茶のほうが興奮作用がある「カフェイン」含有量が少ないため、よりリラックス効果が期待でき、免疫力のアップに繋がります。
紅茶
紅茶に含まれている「ポリフェノール」で有名なのものにテアフラビン類とテアルビジン類があります。これらは、活性酸素を除去して細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。
ポリフェノールは、細胞を老化させる原因となる活性酸素を除去する働きがある抗酸化物質です。細胞が老化すると、侵入した異物を排除する免疫細胞の働きも低下するため、免疫力が下がってしまいます。抗酸化作用があるポリフェノールを摂取すれば、若々しい細胞が維持できるため免疫力が高められるのです。
免疫力アップ目的でお茶を飲むときの注意点
お茶による免疫力アップの効果を得るためには、飲む時の工夫も必要です。免疫力アップ目的でお茶を飲む時の注意点も、しっかりと頭に入れておきましょう。
緑茶の「エピガロカテキンガレート」は80℃くらいで抽出されやすい
緑茶を飲む時には、「エピガロカテキンガレート」をよく抽出させるために、80℃くらいで淹れるのがおすすめです。
抗酸化作用や抗ウイルス作用があるカテキンには種類があり、エピガロカテキンガレートは緑茶以外の植物からは発見されていません。エピガロカテキンガレートが持つ抗酸化作用はビタミンCの約90倍とも言われ、免疫力アップがより期待できる成分です。
紅茶には生姜やフルーツを合わせて
紅茶を飲む時には、生姜やフルーツを合わせて飲むと、免疫力アップの効果がより期待できます。
生姜に含まれている辛味成分の「ジンゲロン」は、強い殺菌作用があり、体内に侵入したウイルスを退治する効果が期待できます。さらに、生姜には身体を温める作用があり血流が良くなるため、さらなる免疫力アップも期待できます。
また、腸内環境を整える作用があるフルーツを合わせて飲むのもおすすめです。特に、ナトリウムを排出するカリウムや食物繊維のペクチン、抗酸化作用があるポリフェノールなどが豊富に含まれているリンゴは、免疫力を高めるのに効果的です。
その他、ポリフェノール(抗酸化作用)が含まれているブドウや、ベータクリプトキサンチン(抗酸化作用)が含まれているオレンジ、ペクチン(腸内細菌を整える)が含まれているグレープフルーツもおすすめです。
ミルクティーはNG
紅茶には、ウイルスを撃退する効果がある「紅茶ポリフェノール」が含まれています。ただ、紅茶ポリフェノールは、ミルクを入れるとミルクのタンパク質に取り込まれて機能しなくなってしまいます。免疫力アップが目的の場合は、紅茶にミルクを入れずに飲みましょう。
緑茶とほうじ茶どっちが体に良い?
免疫力アップで注目されている成分にLPSがあります。LPSとは、特定の細菌の表面に付着している物質で、ウイルスや異物を食べて排除する免疫細胞の「マクロファージ」を活性化する働きがあり、免疫力を高めて健康な身体を維持するためには大切な成分です。
LPSは土壌などに存在しているため、土の中で育つ根菜類や野菜、穀類などに多く含まれており、飲み物の中では緑茶に多く含まれています。
発酵して作られる紅茶や、焙煎するほうじ茶などは、LPSが破壊・分解されている可能性があるため、LPSを摂取して免疫力を高めたい場合は、発酵も焙煎もしていない緑茶がおすすめです。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。