免疫力が低下すると湿疹ができる?そのメカニズムとツラい皮膚症状の予防方法

皮膚にポツポツとできる湿疹は痒みを伴うツラい症状。原因のひとつは免疫力の低下だといわれています。これらの皮膚トラブルは体の中の免疫力が作用しているので、ツラい症状を防ぐためには免疫力を高めることがポイントです。当記事では、免疫力の低下が湿疹を引き起こすメカニズムや、その症状を防ぐ方法を紹介します。

免疫力が低下すると湿疹ができる?

湿疹で肌が痒い

多くの人が経験したことがある湿疹には、さまざまな原因が考えられます。たとえば金属製のアクセサリーをつけたり新しい化粧品を使ったりしたときに、赤くなったり湿疹ができたりしたことがある人は少なくないでしょう。また、花粉やハウスダストなどでアレルギーを起こしてしまう人も珍しくありません。このような湿疹は、異物に接触したり、異物が体内に侵入したりしたことによる自己防衛反応の暴走(=アレルギー反応)です。

そして同じ物質に接触してもアレルギー反応が出る人と出ない人がいるのは、免疫機能の違いだと考えられています。

湿疹ができるメカニズム

湿疹ができるメカニズム

花粉などのアレルゲンは私たちにとって異物です。しかし通常は、呼吸などでアレルゲンが体内に取り込まれても、「マクロファージ」という細胞が食べて排除してくれます。そしてマクロファージは、免疫機能の司令官「ヘルパーT細胞」に「こういう敵が来たけど排除したよ」と報告をして終わります。

ところがマクロファージから報告を受けたヘルパーT細胞が、まれにマクロファージの報告を「アレルゲンが体に害を及ぼしている」と勘違いしてしまうことがあります。するとヘルパーT細胞は、異物と戦う「IgE抗体」を作り出すよう指令を出します。出来たIgE抗体を肥満細胞が表面に纏い、次の攻撃に備えます。

そして、再び花粉などの異物が入ってきたときに、抗体を纏ったマスト細胞に花粉などがくっつくと、腫れ・痒み・炎症などをもたらす「ヒスタミン」が放出されますが、この時過剰ともいえるほどの大量に放出されてしまうと、湿疹ができてしまうことに。

つまり湿疹は、免疫細胞が誤作動を起こしてしまったことによるアレルギー症状で起こることがあると言えます。免疫力を高めることができれば、免疫異常を起こすことがなくなり、湿疹などのアレルギー症状も防げると考えられるのです。

帯状疱疹の原因も免疫力の低下

強い痛みと湿疹で知られる帯状疱疹は、免疫力の低下が原因であることがわかっています。全身に湿疹や赤い水ぶくれができるので皮膚の病気としてとらえられがちですが、顔にできると顔面神経に影響を及ぼしたり、目にできると失明したりと、深刻な症状を引き起こすこともあります。

帯状疱疹は過労やストレス、加齢などで免疫力が低下すると発症しやすいといわれますが、そもそもの原因は水ぼうそうを起こすウイルスです。水ぼうそうが完治してもウイルスの一部が神経の根元に残っていることがあり、通常は免疫によって抑えられているのですが、免疫力が低下するとウイルスを抑え続けることができなくなり、帯状疱疹を発症してしまうのです。

自己免疫疾患で皮膚症状が現れることも!

自己免疫疾患とは、免疫が正常に機能しなくなり、自分で自分の体の組織を攻撃してしまう病気のことです。湿疹や腫れ、痛みなどのさまざまな症状を引き起こすこともあり、リウマチも自己免疫疾患のひとつです。

自己免疫疾患の中でも、症状として湿疹が現れるのは、シェーグレン症候群(顔に丸いドーナツのような形の赤い湿疹ができる)や全身性エリテマトーデス(頬に蝶の羽を広げたような形の湿疹ができる)、皮膚筋炎(肩や手に湿疹ができる)などがあります。

免疫力の低下による湿疹はLPSで予防できる

LPSとは、グラム陰性細菌という種類の細菌の細胞壁に存在する成分のことです。免疫細胞のマクロファージを活性化する働きがあることから、免疫力を上げて湿疹などのアレルギーや感染症を防ぐ効果が期待されています。

※LPSについては、こちらの記事もチェック!

LPSは湿疹の予防にも働く

私たちの肌のもっとも外側には表皮がありますが、この表皮は外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層と4つの層に分かれています。角質層と顆粒層の間には「タイトジャンクション」というシールドのような組織があり、異物の侵入を防ぐとともに、水分が蒸発しないように肌を守っています。

LPSもまた、このタイトジャンクションより下に浸透することはできませんが、「ケラチノサイト」「ランゲルハンス細胞」「制御性T細胞(Treg細胞)」などの免疫細胞がLPSのシグナルを受け取ることで反応します。これらの細胞がどのように湿疹予防・改善に影響するのかくわしく見ていきましょう。

バリア機能・保湿力アップ

LPSによるバリア機能・保湿力アップ

すこやかな肌の維持にはバリア機能と保湿が重要ですが、LPSはこのどちらも高めることができます。なぜなら、LPSには肌を構成するケラチノサイトを活性化させる働きがあるからです。

ケラチノサイトはフィラグリンというタンパク質の産生を促しますが、フィラグリンは保湿成分を作り出してバリア機能を高める働きがあります。そのため、LPSで保湿力もバリア機能もアップさせられると考えられています。

炎症を防ぐ

LPSは肌の炎症を防ぐ働きがある

ランゲルハンス細胞は花粉などの異物を捕まえて排除する働きがある一方で、ケモカインという物質を作る働きもあります。

ケモカインは炎症の原因となる物質を作り出す働きがあるので、湿疹や肌荒れの原因となることがあります。ところがLPSによってランゲルハンス細胞が刺激を受けると、ケモカインの分泌が低下することがわかっています。

炎症を改善する

LPSは肌荒れの炎症を改善する

制御性T細胞は、免疫機能が正常に機能するようにコントロールする役目を持っています。LPSと結びつくと活性化して、炎症を抑える「IL-10」という物質を作り出すので、肌の炎症を鎮める働きが期待できます。

LPSは食事から簡単に摂取することができます。おすすめは土の中で育った野菜や微生物が豊かな海の中で育った海藻類。ただ、野菜不足などを自覚している場合には、LPS配合化粧品やサプリメントなどもあるので、試してみてください。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPSとは?4コマ漫画で解説

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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