抗生物質の副作用がLPSで軽減される!腸や肌への効果とは?

主に細菌による感染症にかかると、抗生物質によって治療が行われることがありますが、便秘や下痢、アトピー性皮膚炎といった副作用があらわれる場合があることをご存じでしょうか?

身体の免疫力アップに有効とされているLPSには、このような抗生物質による副作用の抑制にも効果が期待されています。ここでは、抗生物質による副作用に対し、LPSがどのように作用するのかを詳しく解説します。

LPSは抗生物質の副作用を軽減する

抗生物質

抗生物質は、細菌感染症の治療に有効とされていますが、それに伴う副作用もあります。このような抗生物質の副作用を軽減させる成分として注目されているのがLPSです。LPSは、私たちの腸内や土壌の中に存在している「グラム陰性細菌」に含まれる成分です。免疫細胞であるマクロファージを活性化させる働きがあることから、摂取することで、免疫力向上への効果が期待されています。

では、抗生物質による副作用に対し、LPSがどのように作用するのかを詳しく見ていきましょう。

抗生物質の副作用①腸の調子が悪くなる

調子が良くない腸の説明図

抗生物質は細菌だけでなく、無害な腸内細菌も排除してしまう作用があるため、投与することで腸の調子が悪くなることがあります。

腸内細菌には、「抗生物質耐性菌(抗生物質が効かない菌)」を抑える成分を作る働きがあります。そのため、抗生物質の投与によって腸内細菌が減少すると、腸内の抗生物質耐性菌が増加するため、吐き気や便秘・下痢などの症状が表れる場合があります。

LPSには、腸内細菌のように抗生物質耐性菌を抑える成分を作らせる働きがあるため、抗生物質と一緒に摂取することで、その副作用を軽減させることができるのです。

抗生物質の副作用②ガンの発生・増殖の促進

抗生物質の投与によって腸内環境が乱れたマウスにガン細胞を移植する実験によって、ガン細胞の増殖が早くなり、抗ガン作用を持つ免疫細胞や、抗ガン物質の量が減少することが明らかになっています。つまり、抗生物質による腸内細菌の減少が、ガンの発生や増殖に関係すると言えます。

抗生物質の副作用③アトピーの発症

生まれてから一歳になるまでに抗生物質を投与すると、免疫のバランスが崩れ、アトピー性疾患になる確率が高まることがわかっています。これは、免疫のバランスが崩れることで、免疫反応が過剰に起こり肌に炎症(アレルギー)を起こすためです。

また、すでに説明した通り、抗生物質の長期投与は腸内細菌を減少させてしまいます。すると腸内に存在するグラム陰性細菌に含まれるLPSも不足し、免疫細胞の働きが低下します。肌にも免疫細胞が存在するため、これもアトピー発症の原因となります。

LPSは日常的な便秘やアトピー症状改善にも効果的

LPSは、抗生物質による副作用を抑えるだけでなく、日常的な便秘やアトピー症状の改善にも効果が期待されています。

便秘の解消

便秘の解消メカニズム

私たちの腸内にも存在するLPSは、免疫細胞であるマクロファージを活性化させる作用があります。活性化した腸管の筋層にいるマクロファージは「BMP2」と呼ばれる、細胞の働きを調節するタンパク質を分泌します。これにより腸管の神経細胞が活性化されると、腸の蠕動運動が促進されるため、便秘の解消につながるのです。

アトピー改善

アトピー性皮膚炎が引き起こされる主な原因は、皮膚のバリア機能の低下と黄色ブドウ球菌の繁殖です。

正常な肌とアトピー肌の違い

アトピー性皮膚炎の人の肌は、皮膚のバリア機能が低下しており、外部からの刺激やアレルゲンが肌に侵入しやすく、かゆみや湿疹といった炎症を引き起こしてしまいます。

 

黄色ブドウ球菌によるかゆみや炎症

また、私たちの皮膚には常在菌の一種である「黄色ブドウ球菌」という悪玉菌が存在しています。黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎の人の肌では繁殖しやすく、増殖した黄色ブドウ球菌が肌の角質内に毒素を作り出すため、かゆみや湿疹などの炎症を引き起こしてしまうのです。

LPSの働き

LPSが皮膚内の「ケラチノサイト」と呼ばれる細胞を刺激すると、「フィラグリン」というたんぱく質が発生し、皮膚のバリア機能が正常に戻ります。さらにフィラグリンは代謝されると保湿成分になるため、アトピー改善において重要な保湿力も高めることができます。

また、LPSがケラチノサイトを刺激すると、「βディフェンシン」という抗菌物質が発生し、アトピーを悪化させる黄色ブドウ球菌の繁殖をある程度抑制することができます。

このように、LPSには肌のバリア機能を向上させ、黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制させる働きがあることから、アトピー性皮膚炎の改善に役立つと考えられているのです。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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