日本人の食生活にすっかりなじんでいるキムチですが、実はキムチは食べて美味しいだけでなく、免疫力アップも期待できる食べ物です。
いったいキムチにはどのような栄養素が入っているのでしょうか?また、免疫力を高めたい人は、どのように食べたら効果的なのでしょうか?美味しく食べて健康維持もめざせるキムチの隠れた魅力を紹介していきます。
この記事の目次
免疫力アップ!キムチの嬉しい栄養素・成分とは
まずはキムチにはどのような栄養素や成分があるのかを見てみましょう。その中身を分析してみると、キムチで免疫力がアップするといわれるのが納得できますよ。
乳酸菌
キムチは発酵食品で乳酸菌がたくさん含まれています。乳酸菌のなかでも生きたまま腸まで届くものには、有用菌を増やすという働きがあります。
腸内には有用菌のほかにも悪い影響を及ぼす菌と日和見菌とされる腸内細菌が生息していますが、悪い菌が増えると毒素が体内に溜まり、免疫力が低下してしまいます。そのため、悪い菌を増やさず、有用菌を増やすことが非常に大切なのです。
免疫細胞の6~7割は腸にあるといわれます。乳酸菌を摂取して有用菌を増やし、腸内環境を整えることは免疫力アップに非常に効果的なのです。
ビタミンA
ビタミンAには、皮膚や粘膜を強化する働きがあります。私たちの鼻やのどはつねに外気にさらされており、病原菌やウイルスが侵入しやすい状態にあります。ビタミンAを摂取して鼻やのどの粘膜を強化できれば、ウイルスなどの侵入を防ぐことができる、というわけです。
また、ビタミンAには白血球を増やす働きもあります。白血球には免疫細胞がたくさん含まれているので、この点からもビタミンAは免疫細胞の働きを高めることが期待できます。
ビタミンB
ビタミンBで注目したいのはB1とB6です。ビタミンB1には腸内で免疫細胞が集まる「パイエル板」を維持する働きがあります。パイエル板はビタミンB1が不足すると小さくなってしまうので、免疫細胞も減少してしまいます。
一方のビタミンB6には、たんぱく質を作る働きがあります。細胞はたんぱく質から作られているので、ビタミンB6が不足すると免疫細胞も減少し、免疫力が低下してしまいます。ビタミンB1とB6の両方を含むキムチは、まさに免疫細胞の味方といえる食品なのです。
カプサイシン
キムチにたくさん含まれるカプサイシンは辛味成分として知られていますが、それ以外にも、腸の蠕動運動を促し、便を排出し、腸内環境を整えるという作用があり、免疫細胞の活性化につながります。
また、カプサイシンは体温を上昇させる効果もあります。体温が上昇すると血行が促進されるので、免疫細胞を含む白血球が体中にいきわたり、免疫力を高めることができるのです。
食物繊維
食物繊維は排泄を促すので、腸内環境を整える効果があります。そもそも、なぜ便秘をすると免疫力が低下してしまうのでしょうか。その答えは免疫細胞にあります。
私たちの腸には全身の6~7割もの免疫細胞が集まっていますが、免疫細胞は善玉菌によって活性化されます。便秘をすると悪玉菌が増えて善玉菌が減ってしまうので、免疫細胞を活性化することが難しくなります。そのため、食物繊維を摂って腸内環境を整えておくことが、免疫力のアップにつながるのです。
免疫力を高めるためにはキムチをそのまま食べよう
より免疫力を高めるには、キムチの食べ方にもひと工夫しましょう。キムチは鍋に入れたり炒め物に入れたりと、さまざまな料理の食材としても便利です。しかし、キムチに含まれる乳酸菌は熱に弱く、加熱すると死んでしまいます。免疫力を活性化するには、キムチはなるべく調理せずそのままで食べたほうがいいのです。
なお、熱で死んでしまった乳酸菌は腸内で有用菌の餌になるので、加熱をしたから効果がゼロになるというわけではありません。
キムチを食べ過ぎると免疫力が下がることも!
美味しいキムチを食べて免疫力もアップできるなら、たくさん食べよう!と思うかもしれませんが、食べ過ぎには注意です。なぜならキムチに含まれるカプサイシンは刺激が強く、粘膜を傷つけて胃腸が荒れてしまうおそれがあるからです。
とくに腸は免疫細胞を活性化させる有用菌がたくさん住んでいるところです。環境を悪化させて悪い菌が増えないようにしたいものです。
また、キムチは塩分も多いので、高血圧をまねくおそれもあります。キムチは適度に食べて、免疫力のアップに役立てましょう。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。