リポポリサッカライド(LPS)は、ステロイドの作用を打ち消しますか?

LPSは、ステロイドの作用を邪魔することはありません。

 

免疫は、次の4つの機能を担っています。

⓵自分と自分でないもの(正常と正常でないもの)を見分ける。

②自分でないもの(正常でないもの)を排除する(炎症・アレルギーが起こる場合がある)。

③排除が終わると、排除のための活動を収束させる。

④排除の活動で傷ついた箇所を修復する。

 

ステロイドは、主に②をターゲットにする薬で、体内に吸収されて、免疫細胞の炎症性因子の遺伝子発現を止めます。その結果として炎症やアレルギーを抑えることができます。

一方、免疫を活性化するLPSなどの食品成分は、口腔や腸管の粘膜細胞を刺激し、その刺激がリレーされることで体内の免疫系全般(①~④)を活性化します。この時、ステロイドによって炎症性因子の遺伝子発現が抑えられている免疫細胞では、②についての作用は止められたままです。つまりLPSはステロイドの作用を打ち消すことはありません。ただ、①や③や④の作用については穏やかにサポートし、ステロイドの副作用も補ってくれる場合があります。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例
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