自己免疫疾患は、自分に対する抗体ができて自分自身を攻撃する慢性疾患です。LPSは、食べたり皮膚に塗ったりした時に、体の中の炎症を悪化させる心配はありませんが、一旦作り始めた抗体を作らないようにする作用はないので、自己免疫疾患の原因をなくすことはできません。
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免疫は、次の4つの機能を担っています。
⓵自分と自分でないもの(正常と正常でないもの)を見分ける。
②自分でないもの(正常でないもの)を排除する(炎症・アレルギーが起こる場合がある)。
③排除が終わると、排除のための活動を収束させる(炎症やアレルギーの鎮静化)。
④排除の活動で傷ついた箇所を修復する(傷を治す)。
自己免疫疾患は、このうち①の異常です。私たちは、自分にとって害のあるものを見分けて抗体を作ります。本来、自分に対する抗体を作る細胞は死んでいく運命にあるのですが、何かの拍子に生き残り、自分に対する抗体を作り、その結果として、抗体が自分を攻撃して炎症やアレルギーが起こったりします。
免疫を活性化するLPSなどの食品成分は、血管や臓器に直接運ばれるのではなく、口腔や腸管の粘膜細胞を刺激します。その刺激が他の細胞を介して体内の免疫系全般(①~④)を必要な時に速やかに作動できる状態にします。LPSは、自分に対する抗体を作る細胞の活動を止めることはできないので、自己免疫疾患の原因をなくすことはできません。けれども自己免疫疾患があるとしても、ウイルスや細菌から身を守り、傷を早く治すなどの健全な免疫の活動は必要ですから、そういう点で、LPSを摂取すると良いでしょう。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。