LPSはエンドトキシン（内毒素）とも呼ばれますが、食べても皮膚に塗っても毒性はありません。このことは、種々の安全性試験で証明されています。むしろ、経口摂取されて、口腔や消化管の細胞と接することで、毒性なく私たちの免疫力を高めることに役立っています。食品用のLPS原料は、アメリカで安全と認められた食品原料としてGRAS物質になっています。

ここからは、興味のある方は、お読みください。

LPSは細菌の成分です。

細菌が持つ毒素として、コレラ菌のコレラトキシンや、サルモネラ菌が出すエンテロトキシンなど耳にされたことがあるかもしれません。これらは細菌が外側に分泌する毒素として、まとめてエクソトキシン（外毒素）と呼ばれています。エクソトキシンは、私たち体の細胞に入り込み、cGMPやcAMPなどの調節因子を過剰産生させ、その結果、細胞から多量の電解質や水を漏れ出させます。そのため、コレラ菌やサルモネラ菌が口から入ると、腸管でひどい下痢症状が起こるのです。

このエクソトキシン（外毒素）と対になっているエンドトキシン（内毒素）という言葉があり、LPSの別名となっています。それはなぜでしょうか？

LPSは、細菌の体を作っている成分で、細菌が分泌するわけでもなく、消化管の細胞に悪さをするわけでもありません。そもそも、腸には腸内細菌が居てLPSも常に腸管に存在していますので、細胞に対する毒性はないのです。

ただ、細菌が消化管の壁を抜けて血管の中まで入ってきたときは、私たちの免疫細胞は、LPSを細菌の目印として攻撃態勢をとります。つまり、LPSが血管の中で見つかると感染防御のための免疫が働き始めるのです。その結果、炎症が起こることもあるので、細菌が内側に抱えているトキシンというほどの意味でエンドトキシン（内毒素）という別名がついています。