年齢を重ねるとともに深くなるシワ。そのシワができる原因は、加齢以外にもあるんです。
本記事で、シワができる主な原因やその予防法についてご紹介。皮膚科医が注目する最新のアプローチとは一体?
この記事の目次
シワができる原因は?
まずは、シワができる主な3つの原因について解説していきます。
1. 加齢に伴う弾力成分の減少
ハリと弾力の元となる美容成分のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、年齢とともに減少していきます。
皮膚は、外側から順に「表皮」「真皮」「皮下脂肪」の三層に分かれていて、これらの美容成分は「真皮」層に存在しています。内側から肌を押し上げ、ハリと弾力を保ってくれる美容成分が減ってしまうと、肌がたるんでシワができていきます。
ベッドに例えるならば、シーツが表皮で、マットレスが真皮。マットレスのスプリングやスポンジがしっかりしてない状態のベッドに、シーツを敷いてもピンと張った状態にはなりませんよね?
2. 紫外線ダメージ
紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)があり、真皮にまで届いてダメージをもたらすのはUVA。長時間屋外で過ごす生活スタイルの方や、紫外線対策を行っていない方は、深いシワができやすくなります。
3. 乾燥によるダメージ
肌が乾燥すると、肌の水分量が低下し、皮膚の表面に細かいシワができます。乾いた紙を折るとくっきり折り目がつきますが、濡れた紙を折っても折り目が目立たないのと同じです。
シワの種類
シワは、大きく分けて以下に分類されます。
皮膚の表面にできる、浅くて細かいシワ
「縮緬(ちりめん)ジワ」「小ジワ」などと表現される”表皮にできるシワ”は、30〜40代に多くみられ、徐々に深いシワへと変化していきます。
肌の奥(真皮)にできる、深いシワ
表面だけでなく、肌の奥(真皮)にまで刻まれているシワで、紫外線ダメージが最も大きな要因となっていることがわかっています。
シワの予防方法
ここからは、シワを予防するための3つの対策をご紹介します。
肌を保湿する
肌の表面にできる細かいシワは、グリセリンやセラミドなどで保湿することによって予防・改善が期待できます。
紫外線対策
真皮がダメージを受けてできる深いシワを予防するには、紫外線対策を行うことが最も重要です。紫外線には、A波(UVA)とB波(UVB)があり、シワ予防のためにはUVAを防ぐ必要があります。UVAは雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質があるため、曇りの日でも日当たりの良い室内でも対策が必要です。
市販の日焼け止めには「PA+」〜「PA++++」の4段階で示されていて、+の数が多いほどUVAの予防効果が高くなります。屋内外などの場所や、滞在時間などに合わせて適切なPA分類を選びましょう。
シワに有効成分配合の化粧品を使う
2023年5月時点で、厚生労働省が認可したシワ改善有効成分は以下の3つです。
1. 純粋レチノール: ビタミンAの一種で、ヒアルロン酸の産生を促進し、肌の弾力性や柔軟性を高める働きがあります。
2. ナイアシンアミド: ビタミンB3の一種で、コラーゲンの産生を促進する働きがあります。
3. ニールワン: 肌にハリをもたらすコラーゲンやエラスチンなど真皮成分の分解を抑制することで、シワを改善します。
“美容成分を作り出す基”を活性化する新たなアプローチ
上記のシワ改善有効成分は、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどの美容成分のいずれかにアプローチする方法で、それぞれシワ改善効果が認められています。
これらの美容成分は「線維芽細胞」と呼ばれる場所で生成されているのですが、この“美容成分を作り出す基”自体を活性化して、肌にハリや弾力をもたらすのが「LPS*」という成分です。
*LPSとは、肌のターンオーバーを整えたり、バリア機能・保湿力を高めたりする免疫ビタミン。野菜、海藻、穀類、生薬などの食品に含まれます。
その効果に皮膚科医も期待
皮膚科医を対象に実施した「LPSの美容効果」に関する調査を実施した結果、皮膚科医の88%が「LPSはエイジングケアに期待できる」と回答。
近年、LPS配合の化粧品も増えてしており、LPSのエイジングケア効果に注目が集まっています。
シワ改善の他にも、肌のバリア機能・保湿力の向上、アトピーの改善、花粉症の症状緩和などの効果も認められているLPSについて、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。