LPSとは、体内でウイルスや異物と戦う細胞の働きをサポートし、身体を守ってくれる大切な成分です。免疫機能を高める作用があることから、LPSは「免疫ビタミン」とも呼ばれています。
この記事では、免疫ビタミンと呼ばれるLPSにはどのような効果があるのか分かりやすく解説します。また、LPSの摂取方法についてもご紹介していきます。
この記事の目次
免疫ビタミン「LPS」の効果は?
免疫ビタミンLPSには、私たちの体に生まれつき備わっている免疫細胞のひとつである「マクロファージ」を活性化させる働きがあります。この免疫細胞の「マクロファージ」は、体内に侵入してきたウイルスや異物を食べて殺す働きをもっています。
つまり、LPSによって「マクロファージ」が活性化されることで、身体の免疫力が高まるのです。
身体の免疫力を高めてくれる免疫ビタミン「LPS」ですが、どのような症状に効果があるのでしょうか?免疫ビタミン「LPS」の効果について、具体的に解説していきます。
感染症の予防になる
免疫ビタミンLPSは、風邪やインフルエンザ、食中毒といった感染症を予防する効果が期待できます。感染症とは、病原体が私たちの身体に侵入することによって発症するものです。そのため、LPSによって「マクロファージ」が活性化されて活発に機能していると、侵入してきた病原体を速やかに除去し、症状を緩和・回復してくれたり、発症を未然に防いでくれます。
私たちの身体に備わっている免疫力は、疲れやストレスなどにより低下してしまいます。免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなるため、「疲れを感じる」「環境の変化があった」「きちんと休息がとれていない」というときは、意識してLPSを摂取すると良いでしょう。
肌荒れや炎症に効く
免疫ビタミンLPSには、肌荒れを防いだり、炎症を改善したりといった効果があります。
LPSは皮膚の表面にあるケラチノサイトにアプローチして、「皮膚のバリア機能」の効果を高めてくれます。「皮膚のバリア機能」は、肌にうるおいを蓄え、乾燥や外部刺激から肌を守る役割を担っています。そのため、LPSによって「皮膚のバリア機能」が高まることで、肌が荒れるのを防いで健康な状態に保ってくれるのです。
また、肌の表面には、炎症の原因になる物質を分泌する「ランゲルハンス細胞」という細胞があります。LPSが「ランゲルハンス細胞」を刺激することで、炎症の原因になる物質「ケモカイン」の分泌を抑えられることも分かっています。
アルツハイマー病予防が期待できる
免疫ビタミンLPSは、アルツハイマー型認知症の予防への効果も期待されています。
アルツハイマー型認知症とは、脳内に「アミロイドβ」という物質が蓄積されることが原因だと考えられています。これは、「アミロイドβ」を処理する「マイクログリア」の機能が低下し、「アミロイドβの蓄積量」が「マイクログリアによる処理量」を上回ることで起こります。つまり、アルツハイマー型認知症を予防するためには、「マイクログリア」の機能を高めて、脳内の「アミロイドβ」の蓄積を防ぐことが重要なのです。
LPSには「マイクログリア」を刺激して活性化させる働きがあるため、アルツハイマー型認知症の予防効果が期待されています。
その他の免疫ビタミン「LPS」の効果
紹介した症状の予防や改善の他にも、免疫ビタミン「LPS」は次のような症状に効果があることが分かっています。
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免疫ビタミン「LPS」はどうやって摂取するの?
免疫ビタミンLPSは、感染症の対策、肌荒れの防止、アルツハイマー型認知症の予防など、様々な症状への効果が期待できます。
免疫力が低下してしまう忙しい時期や、感染症などが流行している時期は、LPSを積極的に摂取して免疫力を高め、健康を維持しましょう。ここからはLPSを摂取する方法について解説していきます。
LPSを食品から摂取する
LPSは、畑で採れる野菜や、穀類、海藻類などから摂取することができます。中でもLPSを多く含んでいる食材には、メカブやわかめなどの海藻類があげられます。
農薬や化学肥料を使う畑で摂れた野菜にはLPSが少ないことが分かっているため、野菜からLPSを摂取する場合はなるべく無農薬の畑で採れた野菜を選ぶようにしましょう。
また、お米からもLPSを摂取することができますが、LPSは糠と胚芽に部分に多く存在しているため、精白米からはあまり摂取することができません。そのため、糠や胚芽を取り除く前の玄米の方がLPSをたくさん摂ることができます。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。