私たちにとって身近な植物や穀物から摂取できる、免疫ビタミンと呼ばれる「LPS」。LPSはほうれん草やゴーヤ、ワカメ、小麦胚芽などに含まれます。
LPSは、体内で病原菌や異物と戦う細胞の働きをサポートする、健康維持に欠かせない成分です。この記事では、LPSが細胞に与える作用について、わかりやすく解説します。
この記事の目次
LPSの主なはたらき
LPSは、「マクロファージを活性化させる働き」があります。
マクロファージとは血液中に含まれる白血球の1種であり、全身に分布する細胞です。
マクロファージは私たちの体に生まれつき備わっている免疫機能において、とても重要な役割をはたします。
マクロファージとはどんな細胞?
マクロファージは、直径15~20μmの比較的大きな細胞です。
マクロファージの主な役割は、「食作用」です。
食作用とは、体内に侵入した細菌やウイルスなどを食べて消化→死滅させる働きのこと。
マクロファージの食作用によって、細菌の広がりを早期に食い止めることができます。
重要な伝達役でもあるマクロファージ
マクロファージには、体の中に異物が侵入したことを「ヘルパーT細胞」へ伝達する役割もあります。
マクロファージから異物侵入の報告を受けたヘルパーT細胞は、B細胞とキラーT細胞へ「異物を捕獲&破壊せよ」と指令を出します。
指令を受けたB細胞は、異物を撃退するための抗体(タンパク質)を産出します。
さらにキラーT細胞は、細菌やウイルス、侵された細胞を、まとめて破壊し殺すのです。
病気から回復し抗体を獲得するまでには、体の中でマクロファージが先頭に立って、免疫細胞とともに必死に戦ってくれているのですね。
マクロファージは「健康の番人」
マクロファージの食作用が体に与える健康効果は、実にたくさん。
マクロファージの働きによる健康効果
- 感染防御
- 創傷治癒
- 代謝調節機能を高める
- 認知症予防
- 腎臓結石の除去 など
マクロファージは、認知症の原因となるアミロイドβ(タンパク質)やガン細胞、さらに体内の老廃物や死んだ細胞も食べて消化してくれます。
私たちの体を正常に保ち、健康のために日々休まず活動してくれるのがマクロファージなのです。
マクロファージが活性化するとどうなるの?
活性化されたマクロファージにより、病気になりにくい体が手に入り、たとえ病気にかかったとしても早期の回復が可能になります。
働き者のマクロファージをさらに活性化させるのが、「LPS」です。LPSを摂取することで、マクロファージの働きがさらに活発になり、健康的で若々しい体が手に入るのです。
マクロファージが弱まると病気になりやすくなる
ストレスや乱れた生活習慣、加齢が原因で、マクロファージの働きは弱まります。マクロファージの弱体化にともない、免疫力も低下。
免疫力が下がることで、細菌やウィルスに感染しやすくなり、ガンなどの生活習慣病にもかかりやすくなります。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。