免疫力とは、ウイルスなどの病原菌を攻撃したり、傷を修復したりするなど、身体を正常な状態に保つ働きのことで、健康な身体を維持するためには欠かせない機能です。
免疫力を高めるためには、規則正しい生活を心がけ、栄養バランスの整った食事をとるなどすることが大切ですが、実は笑うことでも免疫力のアップが期待できます。
そこでここでは、笑うことによって免疫力がアップする理由をわかりやすく解説します。
この記事の目次
笑うと免疫力がアップする!その理由とは
笑うと心や身体に良い影響があると考えられることから、病気の治療法や予防法としても注目されています。笑うと免疫力がアップする理由を、詳しく見ていきましょう。
ナチュラルキラー細胞を活性化する
笑うと、身体に悪影響を及ぼす物質を攻撃してくれるリンパ球の一種の「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」の働きが活発になります。
ナチュラルキラー細胞は、全身を巡回し、ウイルスなどの病原菌を見つけると攻撃を行う免疫細胞です。人間の体内には50億個ものナチュラルキラー細胞があり、活発に働くほど、感染症やがんにかかりにくいと言われています。
免疫のシステムは、脳の一部の「間脳」がコントロールしていますが、笑うと間脳に気持ちの高ぶりが伝わり、情報伝達物質の「神経ペプチド」が活発に生成されます。神経ペプチドは、神経細胞の興奮や抑制を他の細胞に伝える物質の総称で、血液やリンパ液を使って体内を巡り、ナチュラルキラー細胞の表面にくっついて活性化する働きがあるのです。
血行が良くなる
笑うと血の巡りが良くなり、免疫細胞の働きが活性化されます。
笑っている時は自然と腹式呼吸になります。腹式呼吸は、体内に多くの酸素を取り込んで内臓に刺激を与えられるため、血流が良くなり、新陳代謝も活発になるのです。
血液中には、白血球などの免疫細胞が存在し、ウイルスや異物を攻撃するためにパトロールをしています。しかし、血流が悪いと体内を十分に巡回できないため、即座に攻撃ができません。血行が良くなれば、免疫細胞が体内をスムーズに巡回してウイルスや異物をすぐに攻撃できるため、免疫力のアップにつながるのです。
自律神経のバランスが整う
笑うと、リラックスしている時に働く「副交感神経」が優位になり、自律神経のバランスが整います。
免疫が正常に機能するためには、自律神経がバランスよく働いているかどうかが重要です。自律神経には、日中に活動しているときに優位になる「交感神経」と、夜間やリラックスしている時に優位になる「副交感神経」があり、副交感神経には、体の機能の向上や回復、免疫機能を正常にする作用があります。しかし、過剰なストレスを受けたり生活習慣が乱れると、自律神経のバランスが乱れて交感神経ばかりが優位になり、免疫機能が正常に働かないのです。
笑うと心がリラックスした状態になり、副交感神経が優位になります。その結果、自律神経のバランスが整って免疫機能が正常に保てるようになるのです。
筋力がアップする
笑うと腹筋や表情筋などの筋肉がよく動くため、筋力アップにつながります。さらに、笑っている時には呼吸が早くなり、心拍数や血圧が上がるため、笑っていない時と比較するとカロリーの消費量が高くなります。
筋力がアップして筋肉量が増えると、運動をした時に体温が上がりやすく血行が良くなり、全身に酸素や栄養が行き渡ります。血液中の免疫細胞の活動も活発になるため、免疫力が高められるのです。
作り笑いでも免疫力は高まる!
たとえ作り笑いであっても、ナチュラルキラー細胞が活性化したり、副交感神経が優位になったりすると言われており、本当に笑った時と同じ効果が期待できます。特に、大きな声を出すと腹筋が動かされて腹式呼吸になるため、十分な運動効果が期待できます。
笑う気分になれない時は、作り笑いでもいいので口角を上げて笑ってみましょう。笑顔を作るだけで気分も明るくなり、心と身体に良い影響をもたらしてくれますよ。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。