プロポリスは、植物樹脂由来の成分やミツバチ由来の成分が含まれた、ミツバチの巣に使われる樹脂状の物質のこと。実に多くの栄養成分が含まれており、免疫力を高める作用もあると言われています。ここでは、プロポリスの効果と免疫の関係やメカニズムについて、詳しく解説します。
この記事の目次
プロポリスとは?
プロポリスとは、ミツバチが集めたハーブなどの植物由来の樹液や新芽と、ミツバチ自ら分泌する酵素成分が含まれた唾液と混ぜて作った、粘着性のある樹脂状の固形の物質のこと。プロポリスは「天然の抗菌物質」とも呼ばれ、巣の隙間や外壁に塗ることで、細菌やウイルスから巣箱を守っています。
優れた抗菌作用がある成分が含まれている植物の樹脂には、 傷口を細菌やウイルスから守る働きがあり、この働きを利用して、巣を作ったり傷ついた巣の補修などもしています。実際に、ミツバチの巣の中は、ほんのわずかなバクテリアしか存在していない、ほとんど無菌の環境です。
そんな優れた効果に期待して、さまざまなプロポリスサプリやドリンクなども販売されています。
プロポリスの嬉しい効果と免疫との関係とは
プロポリスには、免疫力アップの効果も期待できます。ここでは、プロポリスの効果や免疫との関係をご説明します。
風邪やインフルエンザを予防・軽減
プロポリスは、I型インターフェロンの活性を調節して、風邪やインフルエンザの予防や症状の重症化を防ぐと言われています。
I型インターフェロンは、ウイルスの排除や増殖の阻止、免疫の増強作用などがあるタンパク質の一種です。ウイルスに感染すると分泌され、周囲の細胞に感染したことを知らせてウイルスを攻撃させます。ただ、I型インターフェロンが多く分泌されると、ウイルスの増殖を抑えるタンパク質だけでなく、炎症を引き起こすタンパク質も増加してしまうため、細胞が傷ついて症状が重症化する可能性があります。
プロポリスには、I型インターフェロンによる炎症を引き起こすタンパク質の増加を抑制する働きがあるのです。つまり、炎症を引き起こすタンパク質は増やさずに、ウイルスの増殖を抑えるタンパク質のみが増加するため、風邪やインフルエンザの予防や症状の軽減に効果的なのです。
花粉症の症状を軽減
花粉症のかゆみや鼻水、くしゃみなどの炎症は、花粉に対して免疫機能が異常に反応し、ヒスタミンという化学物質が放出されることで起こります。さらに、cys –ロイコトリエンが放出されると粘膜が腫れるため、鼻づまりなどにつながります。
プロポリスには、ヒスタミンやcys –ロイコトリエンの放出を抑える働きがあり、かゆみや鼻づまりなどの花粉症の症状の軽減につながります。
抗酸化機能のサポート
プロポリスにはポリフェノールの一種である植物性色素のフラボノイドが含まれています。フラボノイドは、抗酸化機能をサポートすると言われています。人間の身体は酸化(体内で発生した活性酸素によって細胞が傷つく)が原因で老化していきます。活性酸素を除去する機能は加齢と共に低下してしまうため、より老化が進んでいくのです。
ほかにも、フラボノイドには抗菌作用、血流を良くする作用などがあり、さまざまな健康効果が期待できます。
他にも嬉しい成分がいろいろ!
ほかにも、細胞の構成や代謝を良くするミネラル類(マグネシウムや亜鉛など)、身体の機能を正常に働かせるために必要なビタミン類など、300種類以上もの成分が含まれており、健康維持に期待できます。
LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。