LPSで認知症を予防できる?

認知症は本人にとっても周囲の人にとってもつらいものです。これまで当たり前にできていたことができなくなり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。

認知症を予防するためには、食事や運動、他人との交流といった日々の心掛けが重要であるとされています。しかし、近年になってLPSで認知症を予防できる可能性があることが明らかになってきました。これはどういうことなのか、詳しく見てみましょう。

認知症とは何なのか

認知症はなぜ起きる?

認知症とは、理解力や判断力が低下し生活に支障をきたす状態のことを指します。もの忘れや徘徊などが代表的な症状として知られていますが、それ以外にも幅広い能力の低下を総称するものなのです。

もの忘れは老化による脳の機能低下に伴って多くの人に見られるようになるものですが、認知症はそれとはまったく異なります。認知症は、病気が原因となって脳の神経細胞に異常が起こるために発生するものであり、若い人であっても起こり得ます。

認知症になる原因はさまざまですが、なかでももっとも多いのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は認知症全体の60~70%を占めており、多くの人を苦しめています。

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症の人の脳では、シミのようなものがあちこちに見られます。これはアミロイドβという物質で、アルツハイマー型認知症を引き起こす原因であると考えられています。

脳にアミロイドβが蓄積すると、脳の神経細胞にダメージを与えて死なせてしまいます。さらに、脳細胞が死ぬことで脳自体も委縮してしまいます。脳がこれだけの損傷を受ければ、理解力や判断力が低下するのはやむを得ないと言えるでしょう。

アミロイドβの蓄積は認知症を発症する10年以上前から始まっていると考えられており、根本的な治療方法はいまだ見つかっていません。

アルツハイマー型認知症が起きるしくみ

健康な人の脳はどうなっている?

アミロイドβはアルツハイマー認知症の人の脳だけで作られているのではありません。健康な人であっても、加齢に伴いアミロイドβが作られるようになるのです。ただし、健康な人の場合はアミロイドβが蓄積することはありません。なぜなら、健康な人の脳ではマイクログリアという細胞がはたらいているためです。

ヒトの体では、体内に侵入した細菌などを排除するマクロファージという細胞が活躍しています。マイクログリアもマクロファージの一種であり、脳内で作られたアミロイドβを除去する役割を担っています。アミロイドβが作られてもマイクログリアによって速やかに除去されるため、脳内にアミロイドβが蓄積することなく健康な状態が維持されます

アルツハイマー型認知症の人の脳で起きていること

アルツハイマー型認知症の人の脳では、健康な人と異なりマイクログリアの機能が低下していると考えられています。マイクログリアの機能が低下していると、脳内で作られたアミロイドβを除去する能力が低下してしまいます。そのため徐々にアミロイドβが蓄積していきます。これが神経細胞を死なせることにつながり、やがて認知症の症状となって現れます。

LPSによる効果

LPSはマイクログリアを活性化させる

LPSは、アルツハイマー型認知症の予防に有効だと考えられています。LPSとは体内で病原菌や異物と戦う細胞の働きをサポートする成分であり、特に体内に侵入した細菌やウイルスなどを死滅させるマクロファージの機能を活性化させることが知られています。

脳内で作られたアミロイドβを処理するマイクログリアもマクロファージの一種です。そのためLPSによってマイクログリアの機能を活性化させることができます。アルツハイマー型認知症はマイクログリアの機能低下が原因だと考えられているため、これを改善できれば認知症を予防する効果が期待できます。

マウスを使った実験で効果が実証

アルツハイマー型認知症のマウスにLPSを投与する実験を行ったところ、LPSを与えなかったマウスと比べてアミロイドβの蓄積や認知機能の低下が抑制されることが確認されました。

これは、LPSによってマイクログリアの機能が向上し、アルツハイマー型認知症の進行を防いだものと考えられます。理論上だけでなく、LPSには実際に効果があることが明らかになったのです。

LPSを使って認知症予防ができるかも

この実験はあくまでもマウスを使ったものであり、まだヒトの認知症に対して確実に効果があると言える段階ではありません。また、もっとも効果的なLPSの量や摂取方法など、どのように利用するのが適切なのかもまだ明らかではありません。

しかし、今後研究が進めば、LPSを利用して認知症を予防できるようになるかもしれないのです。これによって多くの人がつらい思いをするのを防げるようになるかもしれません。LPSは私たちにとって大きな可能性を秘めています。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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