自然免疫応用技研株式会社

ひげ博士の最新免疫学講座

かげ

第39回

肌とHSPの話
(2017年6月 No.39より)

皆さん、ひげ博士じゃ。紫外線(UV)が最も強い6月になってきたが、お肌は大丈夫かのう。何せUVは皮膚を厚くさせ、弾力を無くし、コラーゲンを分解して、その結果シワを作るんじゃ。そこでじゃ、慶応大学の水島徹先生が肌のヒートショックプロテイン(HSP)はUVで出来るシワを防ぐ効果があることを発表していらっしゃるので紹介しよう※1。

ヒートショックプロテイン(HSP)はその名の通り、熱によって誘導されるタンパク質群で、HSP10, 70, 90等の種類があり、生物が生きていく上で必須な物じゃ。主な働きとしては、タンパク質がちゃんと働くように立体的に折りたたまれるのを助けることが知られておる。本論文では、マウスの背中を42℃の温水で暖めてHSP70を誘導させると、UVによるシワが予防出来ることを紹介していらっしゃるのじゃ。

さて、読者の皆さんにはプチ知識をお教えしよう。HSP70は単球や腹腔マクロファージ、脳のマクロファージ(マイクログリア)を活性化する作用があるのじゃ※2-3。しかも、LPS受容体(TLR4)を介してHSP70が働くそうじゃ。そうすると、LPSはUVでシワが出来るのを防ぐ働きもあるかもしれんのう。

1. J. Invest. Dermatology, 133: 919-928 (2013), doi: 10.1038/jid.2012.383
2. FASEB J, 16: 601-603 (2002), doi: 10.1096/fj.01-0530fje
3. J. Immunol, 168: 2997–3003 (2002), doi: https://doi.org/10.4049/jimmunol.168.6.2997

ひげ博士

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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