LPSは、動脈硬化の予防に効果を持つことが示唆されています。
一般に「動脈硬化」といえばアテローム性動脈硬化を指すことが多いです。アテローム性というのは、「お粥状の」とでもいうような意味で、アテローム性動脈硬化(Atherosclerosis)とは、動脈に粥状の隆起(プラーク)が発生する状態のことです。
血管に傷ができると、コレステロールを運ぶLDLが血管内膜にひっかかり、そこで酸化され不要物となります。不要物である酸化LDLは、通常、マクロファージが食べて処理します。食べた後に残るコレステロールはHDLに引き渡されてリサイクルされます。しかし処理しきれない大量の酸化LDLがあると、マクロファージは酸化LDLをため込んだまま死んでしまい、あとには、お粥状のコレステロールの塊が残ります。これがプラークです。プラークが大きくなると、血管が狭められたり、プラークの破裂によって血栓ができたりします。
この話を聞くと、マクロファージを活性化すると、動脈硬化を促進するのではないかと思うヒトがいますが、それは大変な間違いです。処理しきれない量の酸化LDLがあると動脈硬化のリスクが高まるのであって、あくまでもマクロファージが活発に機能する事で血液が綺麗に保たれています。このことから、マクロファージを活性化するLPSが動脈硬化の予防にも効果があると考えられます。
実際に、動脈硬化モデルマウスに高脂肪食を食べさせる実験で、マクロファージを活性化するLPSを与えると、与えないマウスに比べて体重増加が抑制され、大動脈血管プラークの発生が少ないことがわかっています(*1)。
(*1)Oral administration of Pantoea agglomeransderived lipopolysaccharide prevents development of atherosclerosis in high-fat diet-fed apoE-deficient mice via ameliorating hyperlipidemia, pro-inflammatory mediators and oxidative responses, PLOS ONE | https://doi.org/10.1371/journal.pone.0195008 March 27, 2018
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