LPS細胞実験
免疫に作用するといわれる素材を大別すると、(1)免疫系をサポートする物質と(2)免疫系を直接強化する物質に大別できます。抗酸化物質や整腸物質、栄養素というのは、サポート物質に入ります。一方免疫系を直接強化する物質としては、初乳関連物質トランスファーファクター、LPS、βグルカン、ペプチドグリカンが知られています。(2)のうち、初乳関連物質は、主として母親由来の抗体成分が中心ではないかと思われます。(2)のそのほかの物質は、いずれも自然免疫の活性化物質です。
さて、自然免疫の活性化物質は、マクロファージの活性化作用を持ちます。そこで、免疫を強化すると言われる物質で作用機序が明確でないルミンAおよびプロポリスのマクロファージ活性化力を、NO誘導を指標とし、LPS素材(パントエア菌LPS;IP-PA1含有)と比較しつつ調べました。ルミンAは感光色素の1種で、第3類医薬品となっておりマクロファージを活性化する効果があることがインターネットで公開されています(http://manmaru-sinbun.com/2008/02/no173.php)。我々が調べた結果では、ルミンA錠剤200μg/ml濃度(クリプトシアニン0.A.コンプレックス濃度;0.3μg/ml)で、LPS素材の0.1μg/ml(IP-PA1濃度;1ng/ml)と同等のマクロファージ活性化機能がある事が示されました。一方、抗菌活性のほか免疫を活性化すると言われているプロポリスについては、1000μg/mlで、LPS素材の0.1μg/ml(IP-PA1濃度;1ng/ml)と同等のマクロファージ活性化力があることが示されました。
これらの結果から、ルミンAやプロポリスは、免疫系を直接強化するというよりも、サポートする物質に入るか、あるいはマクロファージのプライミング作用があるのではないかと考えられます。
図1 LPS素材、ルミンA、プロポリスの
マクロファージ活性化力の比較
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