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LPS植物試験

イネの白葉枯病に対する抵抗性の増強(展着剤の効果)

以前の研究により、LPS素材(パントエア菌LPS;IP-PA1含有)がイネの白葉枯病の感染抵抗性を増強することが明らかとなりました。しかしこの試験では、イネ葉先をカットしてそこにLPS素材を塗布する実験系を用いました。そこで今回は、噴霧での効果について検討を行ないました。

イネの葉の表面はワックスが強く、噴霧したLPS素材が流れます。そこで、噴霧試験に先立ち、展着剤(ブラボー)を使うことで、LPS素材が葉に効果的に付着あるいは浸透するか否かについて調べることを行ないました。LPS(パントエア菌由来;IP-PA1)を蛍光ラベルし、展着剤配合あるなしの条件でイネ表面に噴霧し、直後及び6時間後に葉の表面を洗浄して蛍光を観察しました。その結果、展着剤を使うことで、6時間後に、葉の表面にIP-PA1の蛍光が観察されました。尚、3時間後に葉の表面を洗浄して観察すると、蛍光が観察されなかったことから、6時間後に観察される蛍光は、IP-PA1が葉の中に浸透していることを示しています。

図1 蛍光ラベル化LPSの観察結果

図1

1mg/mlの蛍光ラベルIP-PA1を展着剤(3000倍希釈)添加または無添加溶液に1.5倍希釈し、イネの第五葉に10μlドロップ。処理6時間後に、処理葉を5秒間よく洗浄し、顕微鏡で蛍光を観察

この結果を受けて、展着剤とともにLPS素材希釈液(IP-PA1濃度1mg/ml)をイネに噴霧し、その24時間後に白葉枯病菌を接種し、14日目の葉の枯れの状態を観察しました。その結果、LPS素材の噴霧によって、明確な感染抵抗性増強効果が確認されました。尚、病原菌を接種していない葉において葉を観察したところ、LPS素材の噴霧によって、典型的な生体防御反応(活性酸素が産生されたことを示す赤い斑点)が出現していることが示されました。

図2 LPS素材によるイネ白葉枯病に対する 感染抵抗性増強(噴霧法)

図2

展着剤(ブラボー1000倍希釈)または、展着剤(ブラボー1000倍希釈)+LPS素材希釈液(IP-PA1濃度;1mg/ml)を噴霧処理。処理24時間後白葉枯病菌を接種

※この記事は、当社の研究成果に関する学術的な情報を提供するものです。特定の製品の効能・効果を宣伝、広告するものではありません。解説者の許可なく、商業目的として転載することや、内容に変更を加えたり、複製を行うことを禁じます。

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