LPSヒト経口投与試験
現代社会では、若年層のアレルギー、中高年のメタボリックシンドローム、特に高齢化社会でより顕著となる癌や感染症、アルツハイマーなどの罹患率が高くなっています。疾患には、それぞれ直接的・間接的、あるいは習慣的・遺伝的要因がありますが、共通して言えることは、ストレスや加齢によって免疫力が落ちることにより、発症や進行が加速されることです。従って、免疫力を高める素材は、環境が変化し、食生活が欧米化し、運動量が低下している現代社会において、「健康で長生き」を支えるために貢献できる素材と言えます。
当社では、糖脂質(LPS)素材(パントエア菌糖脂質(LPS);IP-PA1含有)を配合した食品や化粧品を試作し、ヒトでの効果実証試験を行なっています。ここでは、糖尿病予防をターゲットとしたお茶を用いた効果実証試験の結果を示します。
糖尿病に対する予防としては、糖分を取り過ぎないことはもちろんですが、糖は、単糖にまで分解されないと腸から吸収されないため、食べた糖分の分解と吸収を抑制すること、それから体内での糖の代謝を促進することが考えられます。実際にそういう薬や食品が製造販売されていますが、これらの素材に免疫活性化力のある糖脂質(LPS)素材を組み合わせた場合の血液マーカーの推移について調べました。
血糖値、LDLに関するダブルブラインド試験
試験品 | プラセボ | サラシア茶 |
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試験品 | サラシア茶+LPS(200μg/包(1g)で配合) | |
被験者 | 対象 | 空腹時血糖値が高めのヒト(血糖値:100-125mg/dl):13人 脂質代謝マーカーが高めのヒト(TG≧150mg/dl or LDL≧120mg/dl or HDL≦40mg/dl):28人 |
年齢 | 不問 | |
人数 | 全41人 | |
試験方法 | 種類 | 無作為割付、ダブルブラインド |
摂取 | 1日2回摂取 | |
期間 | 8週間 | |
評価項目 | 体脂肪、BMI、血糖値、HbA1c、TG、HDL、LDL | |
調査機関 | NPO法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク 一般財団法人三宅医学研究所附属セントラルパーククリニック |
その結果、まず空腹時血糖については、試験品群、対照品群とも統計的有意差をもって低下が見られます。これは、サラシア自体が、糖の吸収阻害活性を持つためと思われます。一方、HbA1cとLDLについては、試験品群でのみ統計的有意な低下が見られました(図1)。このHbA1cとLDLの低下について、さらに解析すると、もともと脂質代謝マーカーが高かったヒトでこの効果がでていることがわかりました。従って、この結果は、パントエア糖脂質(LPS)は、血中脂質が高めのヒトの、脂質および糖代謝を改善する作用があることを示しています。
図1 パントエアLPSは、血中脂質が高めの人の、脂質および糖代謝を改善する作用がある
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