LPS養殖動物試験
自然免疫は、獲得免疫(抗体の作用が中心となる)の発達していない、魚やエビにおいても、感染防御を担っている生体防御システムです。従って、自然免疫能を活性化するLPSは、哺乳類のみならず、水産・畜産養殖動物の感染防御にも利用できます。
ここでは、LPS(パントエア菌由来;IP-PA1)を配合した飼料を給餌することによる、水産養殖動物の感染防御への効果について検討しました。
エビのホワイトスポット病に対する効果。エビにIP-PA1含有飼料を8日間給餌した後、ホワイトスポット病ウイルスを感染させ、その後の生存率を調べました。通常の餌で全滅するところ、IP-PA1含有飼料を給餌した群では高い生存率を示しました。
Fish and Shellfish Immunology. 10: 555-558 (2000).
図1 エビのホワイトスポット病に対する効果
ブリ野外飼育におけるIP-PA1給餌の効果。一群約5000尾のブリを使い、IP-PA1を20μg/Kg/日で投与しました。A群は連続投与、B群は間歇投与したものです。いずれの場合も、IP-PA1投与群は対照に比べ、死亡数が有意に減少しました。
図2 ブリの野外試験
アユ冷水病に対するIP-PA1投与の効果。IP-PA1含有飼料を7日間給餌した後、冷水病菌を感染させました。感染後は、1日おきにIP-PA1を含む水に浸漬操作を行いました。4μg/kg/日のIP-PA1投与と4μg/LのIP-PA1水への浸漬が生存率を上昇させました。 地域研究開発促進拠点支援(RSP)事業(ネットワーク構築型)可能性試験成果報告 215-226 (2003).
図3 アユ冷水病に対する効果
コイヘルペスに対するIP-PA1投与の効果。IP-PA1を7日間投与した後、コイヘルペスを感染させ、その後10日間の生存率を調べました。対照群は全滅しましたが、IP-PA1投与群は、有意に高い生存率を示しました。
図4 コイヘルペスに対する効果
平成17年度 地域新生コンソーシアム研究開発事業「バイオ技術による安全・安心な感染防除飼料製造技術の開発」成果報告書(2006)
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