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LPS動物経口投与試験

アテローム性動脈硬化の発症予防効果(マウス)

マクロファージは血液中の酸化LDLやAGEsの除去に重要です。そこで、マクロファージの活性化につながるLPSの経口摂取が、動脈硬化を抑制するかどうかについて検討を行いました。本研究では、動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスを使いました。ApoEは、脂質代謝に関係するリポタンパク質で、ApoEを欠損したマウスは、血漿中の総コレステロールが増加し、アテローム性動脈硬化を発症します。またこの発症は、高脂肪食で早まります。そこで本研究では、ApoE欠損マウスに高脂肪食を与える群と、高脂肪食を与えつつもLPS(1mg/kg/day)を摂取させる群の2群で行ない、3ヶ月後の体重、脂質マーカー、炎症マーカー、大動脈血管プラークのでき方を比較しました。

動脈硬化モデルマウスでの試験

図

(1)体重変化(図1)

LPS 群では、統計的有意差を持って、体重増加(肥満)が抑制されていることが示されました。

図1 体重変化

図1

(2)血漿中脂質マーカー(図2)

総コレステロール、中性脂肪、LDL とも、高脂肪食群に比べてLPS 群が、有意差を持って、低いことが示されました。尚、善玉コレステロールとも言われるHDL については、変化は見られていません。

図2 血漿中脂質マーカー(*: P<0.05)

図2

(3)血漿中炎症マーカー(図3)

炎症性サイトカインであるTNF については、有意差はありませんが、LPS 群で産生量が低い傾向が示されました。また、炎症性ケモカインであるMCP-1 ついては、統計的有意差をもってLPS 群が低いということが示されました。

図3 血漿中炎症マーカー(*: P<0.05)

図3

(4)大動脈血管プラーク(図4)

試験開始約3か月後に、胸部大動脈血管(心臓を囲むように流れる比較的太い血管)をホルマリン固定してプラークを赤く染色しました。その結果LPS を摂取した群は、プラークのでき方が統計的にも明らかに減少していることがわかりました。

図4 大動脈血管プラークの抑制

図4

(出典)
Oral administration of Pantoea agglomeransderived lipopolysaccharide prevents development of atherosclerosis in high-fat diet-fed apoE-deficient mice via ameliorating hyperlipidemia, pro-inflammatory mediators and oxidative responses, PLOS ONE | https://doi.org/10.1371/journal.pone.0195008 March 27, 2018

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