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LPS細胞実験

マイクログリアにおけるアミロイドβ排除能の促進

アルツハイマー病では、脳内にアミロイドβという物質が増えていることが報告されています。アミロイドβとは、脳内にしみのようにできてくる繊維状の不溶性物質で、老化にともなってある程度できてくるものです。従って、アルツハイマー病の原因または悪化因子であるか、単に老化の結果であるかについては明確な答えは出ていません。ただアミロイドβの中で、神経細胞を犯す作用のあるタイプがあることはわかっています(*1)。

アミロイドβの脳への沈着は、認知症が表れる数年前、早い人では40歳代から始まると言われていますが、通常は、脳内のマイクログリア(脳のマクロファージ細胞)が取り除いています。そこで、ここでは、マイクログリアによるアミロイドβの貪食能が、LPSp(パントケア・アグロメランス由来LPS)による刺激で高まるかどうかを確認しました。

C8-B4細胞(マウスマイクログリア細胞株)を、24穴プレートに2.5×105 cells/ウエルの割合でまき、さらにLPSpを添加しました(最終溶液量:1ml、LPSpの最終濃度:10ng/ml)。37℃、5%CO2環境下で18時間前培養した後に、培養液を、蛍光ラベルしたアミロイドβ(Hilyte Fluor488アミロイドβ、終濃度1μg/mL)を含有する培養液に置換し3時間培養しました。培養後、C8-B4細胞を回収・洗浄し0.5mlの1%BSA/PBS(-)溶液に再懸濁し、フローサイトメーターにより、蛍光アミロイドβを貪食しているマイクログリアの数を測定しました。その結果、LPSpで予め刺激したマイクログリアでは、刺激しないマイクログリアに比較し、アミロイドβの貪食率が統計的有意差をもって高いことが示されました。

マイクログリアによるアミロイドβの貪食

(*1)アルツハイマー病様神経毒性におけるアミロイドβコンホマーの役割, 基礎老化研究 39(3); 29-34 (2015)

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