LPSヒト経口投与試験
本試験では、アレルギー傾向のある人を対象に、花粉の季節におけるアレルギー症状の程度と、抗アレルギー薬の使用状況における、パントエア菌LPS配合サプリメント摂取の効果を、ダブルブラインド試験で調査しました(*1)。
被験者は軽度の目鼻アレルギーがある人63人で、1月中旬から4月上旬のうちの2か月間、LPS配合サプリメントまたはLPSを配合していないサプリメント(プラセボ)を継続摂取してもらいました。試験期間中では、3月の上旬にスギ花粉が、下旬にひのき花粉の飛散が顕著で、試験期間中の抗アレルギー薬の使用は自由とされました。評価は、目鼻アレルギー症状の程度を示すスコア、抗アレルギー薬の使用日数、使用した薬の強さを示す薬物スコア、アレルギー症状スコアに薬スコアを加えた補正アレルギースコアで行われました。
表1:試験概要
試験品 | 試験品 | LPS配合食品(LPSとして250㎍/粒) |
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プラセボ | LPS無配合食品(LPSの代わりにデキストリンを配合) | |
被験者 | 対象者 | ・20歳以上65歳未満の健常域者 ・過去に鼻目アレルギー反応を経験したことがある者。 ・「日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票」:鼻目症状スコア2~10点 ・特異的IgE(ハウスダスト・スギ花粉):いずれもが0.35UA/mL以上 |
人数 | 63名(A群32名、B群:31名) | |
試験方法 | 種類 | 並行群間ランダム化ダブルブラインド試験 |
摂取 | 1日2粒(摂取タイミングは原則朝食後) | |
期間 | 8週間(スクリーニング時、開始前、摂取開始4週間後、摂取開始8週間後に検査を実施) | |
評価方法 | ・主要評価項目:日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ);①鼻目の症状 ②QOL質問項目 ③総括的状態 ・副次評価項目:①非特異的IgE、特異的IgE(ハウスダスト、スギ花粉)、②好酸球数 ・その他 :健康管理として、血液学的検査、身長、体重、BMI |
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関係機関 | (試験実施機関)NPO法人自然免疫ネットワーク、(試験実施施設)美術館診療所 (血液検査)四国中検、(試験計画コンサル・統計解析)たしかにプラス |
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統計解析 | ・被験者背景:平均値±標準偏差SD ・各評価項目:平均値±標準誤差(SE) ・2群間の危険率解析:Wilcoxonの順位和検定(マン・ホイットニーのU検定) |
その結果、目鼻アレルギー症状スコアは、LPS群とプラセボ群で統計的有意な差はありませんでしたが、2カ月間の薬の使用日数、薬物スコア、補正アレルギースコアは、いずれもLPS群の方が、プラセボ群に比べて統計的に有意に低いことが示されました。この結果は、LPSを摂取することにより、抗アレルギー薬の使用量が少なくても症状がコントロールできることを示しています。
図1:抗アレルギー薬の服薬状況と補正アレルギー症状
さらに、被験者の総IgE、ハウスダストに対するIgE、スギ花粉に対するIgE、及び好酸球数を調べたところ、LPS群の方が、プラセボ群よりも低く抑えられている傾向がありました。
図2:IgEと好酸球数の摂取開始時に対する変化量
これらの結果は、パントエア菌LPSの摂取が、目鼻アレルギーの抑制に効果があることを示唆しています。
(*1)Pantoea agglomerans Lipopolysaccharide Controls Nasal Discomfort—A Placebo-Controlled, Randomized, Double-Blind, Parallel-Group Comparison Trial. International Journal of Translational Medicine 4 (1) 126-139 (DOI:10.3390/ijtm4010006)
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