─1990年8月22日 高知新聞記事─
帝京大研 突き止める
動物実験では糖尿病や関節炎にも
市販の小麦粉やクロレラから抽出されるリポポリサッカライド(LPS)と呼ばれる多糖類と脂質の複合体が、ヘルペス(疱疹)や糖尿病、関節炎などさまざまな病気に治療効果のあることが帝京大生物工学研究センターの水野伝一所長(生化学)らの研究で分かり、札幌市で開かれている日本薬学会で21日、発表された。
ヘルペス治療以外はまだ動物実験の段階だが、水野所長らは今後LPSの分子構造や毒性などを詳しく調べ、LPSがこれらの疾患になぜ効果があるかを突き止めたい、としている。
LPSは分子量が五千~八千の物質で、もともと菌類から見つかった。腫瘍壊死(しゅようえし)因子を誘導するなど免疫機能を高める働きがあることから、水野所長らは免疫疾患を含むさまざまな病気の治療につながるのでは、と考えた。
LPSには毒性があることも知られていたため、幾つかの種類のLPSについて毒性と効果を比較、その結果、市販の小麦粉から抽出されるLPSがもっとも効果的であることが分かり、「LPSw」と名付け、実際に調べた。
発表によると、LPSwをヘルペス患者8人の患部に塗ったところ、2~3日で痛みが減少、一週間後には水泡などの症状がなくなり、再発もなかった。
マウスやウサギでの動物実験では、関節炎、胃かいよう、糖尿病に効果がみられ、LPSwを混ぜた水を飲ませたニワトリは産卵数が30%も増えた。
今回の実験では、発熱などの副作用が出やすい静脈注射ではなく、経口摂取や患部への塗布で投与した結果、症状が改善する一方、毒性はほとんど確認されなかった、という。
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