─2020年3月26日 食品化学新聞─
健康支援事業機構は17日、新潟薬科大学の稲川裕之教授が「植物共生プログラム陰性菌由来LPSの有用性(新型コロナウイルス対策への応用)」と題して講演する少人数の講演会を開催した。
冒頭、手代木同機構理事長が新型コロナウイルス(COVID-19)について解説。インフルエンザウイルスと大きさと性格が似ており、7種類目のコロナウイルスであることや、エンベロープで包まれたウイルスということで、スパイク(たんぱく質の突起:感染の際の宿主レセプターとの結合)などを図解で説明した。自然免疫制御技術研究組合研究本部長でもある稲川教授は新型コロナについて、主に呼吸器感染し、病原性はMERS、SARSよりも低いレベルと考えられるとし、ただ、死者が基礎疾患をもつ高齢者に集中し、80歳以上の致死率が21.9%と高いことも指摘した。ウイルスは特定の細胞が持つ細胞膜上の特定の分子(受容体)と結合し、インフルエンザやコロナウイルスは気管上皮細胞(鼻腔、気管、肺)のタンパク分解酵素が関与して感染が成立することから、主に飛沫(空気)で感染する。ダイヤモンド・プリンセスの空調の新鮮空気量について、キャビン(30%)であったことにも触れ、新鮮でない空気が70%も循環していて感染者が増加した。感染を予防するには①換気に注力②マスク③自然免疫力、手洗いうがいとした。感染の現状分析では40歳の中高年に感染が多く、高齢者および糖尿病・心血管疾患・内分泌障害などの慢性炎症の持病を持っている人が死亡患者の特徴であることから、感染者の共通点はマクロファージ(自然免疫の中枢細胞)の機能低下と指摘。ストレスや老化で機能が低下するマクロファージの機能維持が予防に重要。そこで、自然免疫を活性化する共生細菌成分LPSが予防に役立つとした。LPSはウイルスを不活性化する。稲川教授は古くからマクロファージの機能を高める植物共生細菌由来のポリサッカライド(LPS)に注目し研究を重ねている。中でもパントエア菌由来のLPS効果を種々発表してきた。今回、このLPSを鼻腔に塗る、もしくは舌下錠として用いることで予防効果に繋がるとし、感染パニックからの脱却を示唆した講演となった。
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