─1990年8月23日 朝日新聞夕刊記事─
体の抵抗力高める作用
帝京大グループ 学会で発表
生体が本来持っている病気に対する抵抗力を高める物質が小麦やコメなどに微量に含まれており、薬としても使えそうだという研究結果を帝京大学生物工学研究センターの水野伝一所長らがまとめ、札幌市で開かれている日本薬学会で発表した。
この物質はリポ多糖(LPS)と呼ばれ、多糖類と脂質が結合したもの。ヘルペスウイルス感染症の患者に有効だった。
LPSは小麦やコメに1万分の1程度の割合で含まれ、胚(はい)乳より胚芽部分に多い。小麦から取り出して粉末状にしたLPSをヘルペスウイルス感染症患者10人(性器ヘルペス8人、帯状ほうしん2人)に塗り薬として使ったところ、1カ月以内に全員が治った。
LPSはリンパ球の一つであるマクロファージを活性化させる。大腸菌など細菌類に含まれるLPSは一時期、制がん剤として注目されたが、毒性が強いという問題点があった。小麦由来のLPSは今のところ強い毒性は見られず、細菌由来のLPSとは異なり、塗り薬や飲み薬として使えそうという。
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