─2014年11月28日 日本経済新聞─
自然免疫応用技研
野菜に含有の糖脂質使用
健康食品でも拡販狙う
バイオベンチャーの自然免疫応用技研(高松市)は自社製化粧品の全国販売を2015年をめどに始める。肌の状態を良好に保つ効果があるとされる「糖脂質」を含む化粧水を商品化し、各地の調剤薬局やクリニック向けに売り込む。化粧品の販売で知名度を高め、機能性食品などの原料として製造している糟脂質の出荷拡大にもつなげたい考えだ。
同社は「パントケア」 のブランド名で保湿クリ ーム、美容液を主に県内の一部店舗に販売している。現在、糖脂質を使った化粧水の開発を進めており、15年舂にも商品化する予定。新商品の発売に合わせ、県内で販売していた既存商品の全国展開も始める。
糖脂質はバクテリアなど微生物の細胞表面で作られる糖と脂質の結合体。野菜や穀類などに含まれる。生物が持つ免疫細胞であるマクロファージの働きを活性化し、免疫力を高める効果があるとされる。
来年めどに発売、糖脂質拡販につなげる
(自然免疫応用技研)同社は香川大学医学部との共同研究で、糖脂質を使った保湿クリームにアトピー性皮膚炎を改善させる効果があったとの臨床データを得て、11月に日本皮膚科学会で発表した。発表を踏まえ、既存商品と共に拡販することを決めた。新しい化粧水の内容量は120ミリリットルで、販売価格は3,500円程度を見込む。
主力事業である糖脂質の製造についても、販売先の拡大に取り組む。糖脂質を使った化粧品や機能性食品のOEM(相手先ブランドによる生産)事業を積極的に進める。「化粧品の販売で糖脂質の効果に関する認知度を高め、主力の糖脂質の販売増にもつなげる」(同社)方針だ。
糖脂質は自然由来で副作用が生じないとされ、機能性食品への活用など関心が高まっている。現在、同社は年間約800キログラムの糖脂質の生産能力を持つが、需要の増加に対応して製造の外注も進める。化粧品の全国販売や原料の出荷増で18年3月期には4億円の売上高を見込んでいる。
自然免疫応用技研は06年の設立。07年には香川大学医学部に寄付講座を設け、共同で研究に取り組んできた。同社は糖脂質の原料の製造・販売のほか、受託解析なども手掛ける。15年3月期の売上高は14年3月期比で約3割増の2億円となる見通し。
自然免疫応用技研株式会社
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